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日本の運命

Excite エキサイト : 社会ニュース

<秋葉原殺傷>加藤容疑者の両親が謝罪 母は泣き崩れ [ 06月10日 21時36分 ]
毎日新聞社


この事件で最初に思ったのは、永山則夫の連続殺人事件。貧困と無知の中で次々と殺人事件を起こして、長い裁判の後の死刑判決、そして助命活動の中で死刑が執行された。

ひどい事件だ、被害者が無念だろう、加害者は許せない、ということは当たり前のことなので、ここでは書かない。むしろ、どうしてこういう事件が発生したのか、というところを考えるべきだ。

朝から夕方まで働いて月々20万程度の自動車塗装工の派遣社員。各種の天引きがあるから手取りでは15万円ぐらいであろう。派遣社員であるので、今の仕事を続ければ30代になっても40代になっても50代になっても同じ年収。

したがって結婚は出来ないし、子供も作れない。落ちこぼれであるので、家庭生活の安堵も得られないし、子孫を残すことも許されない。現代の奴隷制度である。中国などの労働者と賃金で競い合わせるための国内低賃金奴隷制度。一種の“蟹工船”の世界である。

高校時代は青森県内一の進学校にいたと言うから、すでに有名大学を出てエリートになっているかつての同窓を思うとき、その焦燥感、絶望感、挫折感、劣等感は特別のものであったに違いない。

決してこの無差別殺人鬼の弁護をしているわけではない。本当にこの事件が悲惨であると思うなら、この事件の真因を良く考えてみないと対策も出ないし、改善もない。勿論、犯人本人の特殊性、欠陥、唾棄すべき甘えもある。しかし、いくつかの前提条件の下、更に特殊な条件が重なれば、また同様な若者が生まれ、再発と言うこともありえる。弱肉強食の“弱肉”の爆発である。

どうも日本は変わってしまった。

事件の悲惨さや興味本位の対象をワイドショー的に報道し続けるマスコミ、この殺人鬼を感情的に非難するネットの陳腐な意見、何もかも薄っぺらなのだ。

しかし、このまま日本は行くしかないのかもしれない。今さら変えようもないかもしれない。それが日本の運命か・・・。
by ys1042734 | 2008-06-11 03:52
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