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小泉政権を支えた最大の功労者

<書評>
構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌 竹中平蔵 著 
日本経済新聞出版社 2006年12月出版

小泉政権を支えた最大の功労者としては、やはり、竹中平蔵氏であろう。経済財政政策担当大臣になった2001年のころから、マスコミ、官僚、産業界等から、すでに相当なバッシングをうけながら、銀行不良債権処理をこなし、郵政民営化法案を成立させた業績は、いろいろな評価の仕方があるものの、やはり特筆すべきものであったといえる。
この本は、その竹中氏が5年5ヵ月間の小泉政権の終了とともに政界を去り、大臣時代に書いていた「大臣日誌」をベースに、短時間に一気に書き下ろしたものである。
本書は、奇跡の小泉内閣との出会い、金融改革、郵政民営化、経済財政諮問会議の4つのパーツに分かれているが、圧巻は、「金融再生プログラム」の発表前後の部分である。
「失われた10年」の最大の癌であった銀行不良債権問題の解決で、様々な“抵抗勢力”の圧力を受け、不安と苦悩の中、奔走する竹中氏の姿は、実際に渦中に身をおいた本人でなければ描けない描写となっている。政治、官僚、産業という利害関係各分野との力学、牽制、駆引きが、まさにそれまで一介の研究者、学者であった筆者だからこそ、新鮮に感じ、客観的に、冷静に、見極め、記録されている。
竹中氏の仕事として、郵政民営化と経済財政諮問会議の部分もそれなりに読み応えはあるが、やはり「失われた10年」が終焉を迎える最終の局面となったこの「金融再生プログラム」が、竹中氏の政治における最初の仕事でありながら、クライマックスであった。
竹中氏は本書の中で「戦略は細部に宿る」という名言を残し、その「細部」の現われ方に、その後の常套となった「工程表」もある。本書は政治経済現代史の貴重な記録になるとともに、政治との駆け引き、官僚や産業界との遣り取りなどの最高のマニュアル書として後世に残る名著と言える。
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by ys1042734 | 2007-02-16 23:32
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